物事を有利に持っていくのは人間でした。卓越の域に達しようと熱心に取り組むことがエキスパートのチームは、自信を持って自分の仕事に取り組む覚悟がある完璧主義者の集まりですが、自信を持てるのは自分が対象を正しく理解している場合に限られます。上級製品マネージャーである Volker は、この機械の簡易化、改良、高速化、価格の引き下げに取り組んできました。製品販売マネージャーである Thomas は自分が販売している製品を心から信じる必要がありました。技術製図士である Daniela はすべてをあるべきところに配置します。ソフトウェアエンジニアである Jochen は自動化を専門に扱います。これらの人々がチームメンバーです。
これは彼ら個人のストーリーなのです...
Volker Sassmannshausen にとって、熱成形機 GEA PowerPak PLUS の進化はマーケティングの原則における実例でした。GEA は機械を構築して市場に投入するのではなく、お客様が求めているものをお客様に尋ねた上で、お客様のために機会を構築するという純水主義者的なアプローチを採用していたのです。このプロジェクトは市場のニーズに特化していました。
「私たちは熱成形技術の使用者に、どのように改善してほしいかを尋ねました。」と Volker は語ります。「使用者の皆様から、フィルム処理の改善、切り替えの高速化、アクセス性の向上、包装の安定化などを含む20のキーポイントのリストをいただきました。当社の技術者に各ポイントを順番に検討させて改善に取り組ませました。そしてポイントをすべてクリアしたのです。」
Volker は、ご自身の最優先目標が、新しい機械を旧バージョンや現在の他の市販品よりもより簡単で、優れていて、高速で安価なものにすることであると説明しました。「改良を加えることで、機械がさらにシンプルになると同時に、包装品質の強化、フィルム消費量の削減、柔軟性の向上も実現し、同じ機械でさまざまな包装材を扱えるようになりました。」と言っています。「このプロジェクトに携われたことに大きな喜びを感じました。お客様がまさに望んでいることに取り組んでいると実感できたのですから。」
販売の観点から見れば、この新しい熱成形機 PowerPak PLUS は Thomas Mitterfellner にとって夢でした。2019年5月に発売されてから、お客様がその性能にご満足いただいているのと同じくらい、その成功に感激しているとのことです。
Thomas は、熱成形機に対してお客様が求める改善点を厳密に突き止めるために、手始めに市場調査を実施したそうです。それを踏まえて、GEA がこの新しい機械の「ピンチポイント」を「プラスポイント」に変えることに取り掛かりました。「それが PowerPak PLUS という名前の由来です。」と彼は言いました。
従来の機器は、包装品質の維持に継続的な調整が必要であったため、スタッフが計測的に監視しなければなりませんでした。「しかし PowerPak PLUS の場合は、フィルムのテンションを最適なレベルに維持し、必要な調整を自動で行うため、低質なフィルムや薄いフィルムを使用しても高質なシールを確保できるので、材料費の節約に貢献します。」と Thomas は語ります。「使い方が非常に簡単なので、オペレーターは余った時間を活用して追加の作業を実行できます。」
主な利点としてはほかにも、シール処理中に上部フィルムにかかる力が低いという点があります。「他社製品よりも50%以上低くなっています。」と Thomas は言います。「この利点は、大きな費用がかかる製品リコールにつながりかねない包装の開封を防ぐのに役立ちます。」
製品販売マネージャーである Tohmas にとって、自身が100%信頼する製品を持つことは大きな喜びであり、2019年5月の発売以降、お客様から非常に大きな反響をいただいています。すでに彼の受注件数の80%以上が PowerPak PLUS の注文であり、新しい機械のためにお客様が戻ってきています。「弊社から10年以上も遠ざかっていたお客様からもご注文をいただいています。」と Thormas。「このようなお客様は弊社にとって最大の広告塔です。」
Frank Sabato は GEA PowerPak PLUS 機能の主任開発者です。彼は2013年から2018年までこのプロジェクトに携わっていました。
この機械のプロセスの安定性と操作の簡易性を強化するために、GEA は、再設計中に無数のマイナーチェンジを全面的に施したとのことです。そんな訳で、彼がお客様にとって特に重要と考えている新しい設計要素がいくつか存在します。
「どの熱成形機でもフィルムが一連のローラーを通過します。」と彼は説明しています。「この新しい PowerPak PLUS ではローラーの数を減らしたことで、フィルムがはるかに容易にすばやく送られます。つまりオペレーターが特殊なトレーニングを受ける必要がないので、ミスの機会が減ります。」さらに GEA はローラーの設計を標準化してすべてのローラーを統一することで、ローラーの互換性を実現しました。「これにより保守作業が大幅に簡易化されました。」
「フィルムが機械を通過しやすいようにフィルムへのストレスを軽減しました。」と Frank は語っています。「つまり、より薄く費用対効果の高いフィルムを使用しても最高品質の包装を実現できるということです。低ストレスであることから、スーパーマーケットから好まれるリサイクルが簡単な単層フィルムも完璧に扱えるので、多層フィルムを使用する必要がなくなります。」
フィルムアライメントもプロセスの不可欠な部分です。標準的な熱成形機ではフィルムが通過するので、移送チェーンからフィルムがはみ出す可能性があります。はみ出した場合は手で直す必要があるため、オペレーターは常に警戒しておかなければなりません。「しかし PowerPak PLUS はモーター式のアキシャル・ウェブ・ポジショニング・システムを搭載しており、フィルムの位置の連続測定と補正を自動で行います。」と Frank は説明しています。「必要な人員が少なくて済み、信頼性はさらに高くなって、無駄なフィルムが出なくなります。両サイドのローラーを支持することで、フィルムの位置ずれを予防します。」
Daniela Kramer は、GEA PowerPak PLUS 熱成形機のシーリングステーションのハウジングの一部の設計に加え、上下部フィルム設計の技術製図も担当しました。機械の総設置面積を可能な限り抑えながらも、メンテナンスとクリーニングの際に容易にアクセスできるだけの十分なスペースを確保するために、苦労して、シーリングステーションをクリアで整然とした設計に仕上げたそうです。
「お客様から、メンテナンスとクリーニングが簡単に行えるコンパクトなマシンを必要とされていたのです。」と語っています。「私がすべきことは、サービス担当者が各部に簡単にアクセスできるようにすべての要素が適切な位置に配置されるようにすることでした。」
Danilella は自身にとって簡易性こそが鍵であったと言っています。「あらゆる機能的利点が含まれている整然としたデザインに仕上げれば、操作がより簡単になり、フィルム交換とサービス作業が簡単になり、機械の効率が向上すると考えていました。それがお客様から求められていることであり、私たちはそれを実現したのです。」
Frank Runte は PowerPak PLUS のシーリングステーションのハウジングの設計を担当しました。多くの熱成形機に関して、お客様からこのハウジングが汚染されやすく対応が必要であるというご意見をお寄せいただいていました。
従来の熱成形機では安全カバーを採用していますが、オペレーターがプロセス点検やフィルム交換を行う前にこのカバーを取り外さなければなりません。お客様にとってはこれが問題でした。安全カバーは動きが遅く、扱いにくく、壊れやすいので、それが機械の稼働の妨げとなります。さらに、安全カバーは通常は工場の床に置かれるため汚染される可能性があり、汚染された場合はプロセス全体を衛生上のリスクにさらすことになります。
「しかし私たちはこのエリアを別の視点から検討しました。」と Frank は語ります。「PowerPak PLUS では、安全カバーの代わりに透明のスライドドアを採用しました。」このドアから実行中のプロセスを容易に見ることができ、アクセスする必要がある場合には、簡単にドアを開けて機械本体内に格納できます。このドアによってアクセス性を確保でき、汚染の予防にもつながります。「これは明らかな進化のように見えるかもしれませんが、お客様にとっては大きな違いです。」と Frankは言っています。
Jürgen Niesar は PowerPak PLUS の再設計に必要なリソースの提供を担当する開発エンジニアです。GEA は他の大企業と同様に、財務面と人事面で自前のリソースを慎重に管理して、新しい製品とサービスにお客様の希望を反映させ、それらを商業的に採算がとれる方法でを軌道に乗せなければなりません。
「常に課題となるのは、このようなプロジェクトのためにリソースに優先順位を付けることです。」と彼は説明しています。「しかし PowerPak PLUS の進化は、お客様からの非常に切実なフィードバックに基づいていました。何を求めているのかをお客様にお尋ねし、それをご提供するためにできることをすべて行う必要があります。」
GEA にとって大きな進歩となることが証明された1つの開発分野は、GEA が特許を取得している新しいモーター駆動式アキシャル・ウェブ・ポジショニング・システムです。「この開発において、お客様からいただいたたくさんのご意見に対応する形で、包装の信頼性を高めると同時に人件費と材料費を抑えることができました。」と Jürgen は言っています。
さらに彼はこう付け加えています。「このような経験豊富で専門性の高いプロフェッショナルチームとともにこのプロジェクトに携われたことは光栄なことでした。自己評価ではありますが、私たちは熱成形機技術で大きな前進を遂げ、お客様のために効率性と品質を強化し、簡単にリサイクルできる材料の使用を可能にし、他社よりも大きな商業利益を生み出したと思います。」
Jochen Rehn は GEA の新しい熱成形機 PowerPak PLUS の制御システムの設計を担当しているソフトウェアエンジニアです。彼の出発点は、過去の機械を検討し、お客様のニーズに対応するために実現可能な改良点を追求することでした。
「フィルムテンションが非常に重要でした。」と語っています。「以前は、オペレーターの経験に頼ってフィルムテンションの監視が行われ、必要に応じて手動でテンションが調整されていました。私たちは、精度を上げ、オペレーターによる必要な監視を減らすために、これを自動プロセスにしたいと考えました。」
より安価で簡単にリサイクルできる薄いフィルムを使用できるようにするには、フィルムテンションの制御が重要でした。「しかしそのような薄いフィルムは、適切なテンションにしないと簡単に大きく伸びてしまいます。」と Jochen は説明しています。「フィルムが伸びすぎると歪曲が生じ、ラベルが変形して記載内容が読みづらくなります。」
これは GEA にとっての新たなコンセプトになりました。「これは誰もやっていないことだったので、私たちは機械開発に関して新分野の開拓に乗り出しました。」と Jochen は言っています。「当社のソフトウェアを使用して、一連のバルブとシリンダーの動作と調整を精密な公差内におさまるように制御する必要がありました。さらにフィルムを左から右に追跡することもできるので、完璧なアライメント、無駄の削減、包装品質の向上、人員数の削減も実現できます。これは本当にユニークなシステムです。」
Steffen Eschenroeder は GEA の新しい熱成形機 PowerPak PLUS の出荷前検査員です。彼はプロトタイプ機の試験を行い、各用途に対する性能を厳密に検討しました。「私は初期試験後の調整を勧めました。それ以来このプロジェクトに密接に関わり、この機械がお客様一人一人のために最高レベルの性能を発揮できるように取り組んでいます。」と彼は説明しています。
Steffen によると、この新しい機械を旧バージョンよりも優先されるようにするためには主に2つの改善点があり、それがこの機械の現在の競争力につながっていると信じています。1つ目はサイズで、フィルムロールの幅を広くし、インデックスを長くしました。「他のシステムは限界に達していますが、PowerPak PLUS は全く問題ありません。」
しかし、彼の視点からもわかるように、重要なのは継ぎ目のテンションの制御レベルです。彼は例として医療用途を取り上げています。「医療用途ではシールされた継ぎ目に高いレベルが要求されます。」と Steffen は説明します。「この新しい技術があれば、シールされた継ぎ目の引張度を高精度で制御できるということです。これは他の技術をしのぐ大きな利点であり、包装やラベルが変形するリスクがなく、過剰なテンションによるシール不良もない状態で、気密性と堅牢性にすぐれたシールを作り出すことができます。
また Steffen にとってはスライド式の検査用ドアも重要で、床を散らかすことなく、可動式ドアの破損を防ぎ、衛生の維持に役立ちます。「PowerPak PLUS は2019年の発売以来、当社の売り上げの 80% 以上を占めています。旧バージョンから大きく改良されており、この分野ではテクノロジーリーダーになったと思います。」