2024年5月

時代に合った充填ライン

賞味期限延長(ESL)牛乳の人気が高まるとともに、より安全で持続可能な乳業にとっての好機が訪れています。ESL用に特別設計されたGEA Whitebloc Aero充填ラインは、イタリアのLatteria Soresina社のような大手生産者のビジネスの成長と環境フットプリントの縮小に役立っています。

世界中で賞味期限延長(ESL)牛乳がブームになっていますが、それには納得の理由があります。数日ではなく数週間も美味しさを維持できるだけでなく、栄養素や風味も新鮮な牛乳とあまり変わらないため、消費者に人気なのです。生産者や販売者にとっては、賞味期限が延びることで大きな効率化につながります。さらにESLの人気が高まるにつれて、消費者が店に足を運ぶ回数が減り、返品数も減少して、流通と輸送がより合理化されて気候に優しくなり、全体として廃棄物が減るといった、環境や気候にも良い影響が出ています。健康、栄養、食料安全保障、環境、気候に適したESLは、まさにこの時代にぴったりの製品なのです。

今日の伝統的品質

北イタリアの緑豊かな中心地に本拠を構えるLatteria Soresina社は、グラナ・パダーノチーズとプロヴォローネチーズの生産において世界をリードしており、チーズやバター、クリーム、ヨーグルト、牛乳など、さまざまな製品の主要な地域サプライヤーでもあります。同社は1900年、「自分たちの土地の素晴らしさを世界中の食卓に届ける」ことを目標に創業されました。それから124年、同社の使命は、誇り高き伝統の品質をより持続可能な形で、より広い市場に提供することであり、その一翼を担っているのがESL牛乳なのです。

2006年よりLatteria Soresinaグループのテクニカルディレクターを務めるダヴィデ・アルピーニ氏は、「当社は1900年当時と同じように、大家族として一人一人に役割があり、互いの役割を尊重しながら運営を行っている協同組合なんですよ。同時に、この土地と孫たちの将来の健康に対しても積極的に取り組んでおり、業界におけるこれまで以上にスケールの大きな持続可能性を促進しています」と語ります。

Latteria Soresina社は最近ISO 14.001環境認証を取得しており、今後数年間で環境フットプリントを大幅に削減できるよう取り組んでいるところです。自社事業における太陽光発電、コジェネレーション、LED照明の利用拡大とともに、節水を推進するプロジェクトも進行中であり、自社製品のカーボンフットプリント削減にも余念がありません。

ESL牛乳が同社の環境目標の鍵になっている理由を、アルピーニ氏は次のように説明しています。「当社はヨーロッパの外食産業やホテル業界、そして国際市場に進出しています。流通の規模がこれほど大きくなれば、製品が廃棄される可能性も高くなります。新鮮な牛乳の保存期間は限られているため、返品に関して大きな課題となります。製品を廃棄しなければならないだけでなく、その過程で輸送が必要になるんですから。当社の目標は返品をゼロにすることで、この目標を達成すればカーボンフットプリントに大きな影響を与えることができます。ESL牛乳なら、大都市を対象としたピックアップトラックによるダイナミックセールスなど、環境に配慮した方法で流通を再考し、最適化することができるので、まさに最適なんです」。

Milk products
Whitebloc Aeroの強み

Latteria Soresina社は、同社ブランドで販売する自社牛乳の生産に加え、他社ブランド向けにも乳飲料の瓶詰めを行っています。ESLの需要が高まる中、フレキシブルかつ持続可能な方法で生乳からESLへの生産移行を実現するため、Latteria Soresina社によって採用されたのが、GEAのWhitebloc Aero充填システムでした。

「まず、デュアル機能を備えたWhitebloc Aeroラインでは、生乳とESL生乳の両方を生産できるだけでなく、2つのモードを簡単に切り替えることができます。ESL牛乳の生産量を増やしながら、生乳も大量に生産する予定なので、Whitebloc Aeroの柔軟性とシンプルさが大きな決め手になっています」とアルピーニ氏。

多様な製品タイプに加え、Aeroではサイズや寸法、材質が異なるさまざまなボトル型に対応可能なため、生産者は機械部品を交換することなく、ボトル型を素早く変更することができます。プラスチック製ペットボトルの使用拡大を進めているLatteria Soresina社にとって、これがもう一つの大きな決め手となりました。「ペットボトルは100%リサイクル可能なだけでなく、環境面でも常に進化しています。プリフォームの軽量化はここ数年で重要かつ顕著になっており、それに伴って流通をこれまで以上に最適化できるだけでなく、影響も可能な限り抑えることができるんです」とアルピーニ氏は説明します。

Overview of Whitebloc Aero
競争力を高める無菌のノウハウ

GEAのWhitebloc AeroはESL飲料用に特別設計されています。ESLでは無菌充填と同レベルの除染は必要ありませんが、Whitebloc Aeroには、超清浄環境での製造におけるGEAの豊富な経験が活かされています。Aeroの多数の機能とコンポーネント(充填バルブなど)にはWhitebloc Asepticと同様、無菌技術の利点が数多く備わっていますが、コスト面はより低くなっているのが特徴です。ブロー・充填担当プロダクトマネージャーのマッシモ・ナシンベーニ氏は、「当社では無菌機械の最高水準を満たしており、それはESL飲料の製造においても当てはまります」と話し、次のように言葉を続けています。「Aeroでは、高酸性製品と低酸性製品の両方において、要求される製品の感度と保存期間のレベルに応じて、同じシステムでも幅広い除染目標を達成することができるんです。つまり、保存期間を最大限に延ばした製品をお客様にご提供できるわけで、さらに競合他社よりも優位に立つことができます」。

Whitebloc Aeroの環境面におけるさらなる利点としては、過酸化水素蒸気を使用したドライ殺菌技術が挙げられます。「GEAのドライ技術によって水の消費量、ひいては環境全体への影響も大幅に抑えることができるので、非常に人気のあるソリューションです」

ダヴィデ・アルピーニ氏、

Latteria Soresinaグループのテクニカルディレクター

Latteria Soresina社には、セパレーターやホモジナイザだけでなく、生乳処理、低温殺菌、熱処理全般のラインにおいても、長年にわたってGEAグループの製品をご愛用いただいています。「Whitebloc Aeroを追加することで、長年にわたるGEAとの関係はもちろん、無菌技術や超清浄環境での製造といった分野におけるGEAの主な専門知識から恩恵を受けることができます。それに、Whitebloc Aeroは持続可能性の向上にも貢献してくれています。結局のところ、おかげで今日のESL市場に参入するだけでなく、将来市場がもたらす可能性のあるものに何でも対応できる柔軟性が手に入ったと考えています」とアルピーニ氏は締めくくりました。

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