発酵残留物を高い効率性で処理

Maabjerg Bioenergy

写真: Maabjerg Bioenergy、Jens Bach

現在、世界のバイオガスプラントで当社のデカンタが活躍

現金: 土壌の高いリン酸成分と高いメタンガス潜在性

長距離の水の大量輸送や高いコストを避けたい場合、脱水など発酵残留物の処理は非常に重要です。発酵残留物の処理はさまざまなプロセスを使用します。スクリュープレス、ベルトフィルタ、ボウルフィルタ、ローラープレスまたはふるい、タンクまたは液体遠心分離機での沈殿、あるいはデカンタによる遠心分離などです。こういったプロセスすべてに、具体的な長所と短所があります。

デカンタの比較的大きい投資コストは、全体としてのコスト (総所有コスト) の低さで吸収されます。他の経済的及び手続き面での基準も、デカンタの優位点だと実証されています。特に、リン酸と窒素の分離効率は、他の技術よりもデカンタを利用したほうがはるかに高くなります。これは、独立した調査によって、ベンチマークテストで継続的に実証されてきました。

また、貴重なリン酸成分を含む濃縮された土壌の肥料市場で、高い価格が付けられることも意味します。他の主要因として、分離した土壌に多く含まれるメタンガスも挙げられます。これは、泥状物を焼却及びエネルギー生成に利用する場合、特に関心を集めます。

Maabjerg Bioenergy は 5 基のデカンタを利用

デカンタによる分離を行う利点は、2012 年に再建されたデンマークのホルスタブロにある Maabjerg Bioenergy バイオガスプラントでも認識されています。Maabjerg Bioenergy は、現在、世界で最も大型のバイオガスプラントです。この施設は、酪農家、地元自治体、加熱プラントの提携によって作られました。プラントは、一方で農業で出る糞尿の処理と生成を目的としていますが、もう一方では、ホルスタブロとストルーアの町に熱とエネルギーを供給することを目的としています。

バイオマスプラントは、農業及び食品産業から出るバイオマスを年間約 50 万トン処理するように設計されています。この処理から、約 2000 万立方メートルのバイオガスが作られ、その結果、約 11 万MWh の電気と約 10 万kWh の温水が得られます。ここでの二酸化炭素排出量は、毎年 21,600 トン削減されます。全体として、フル稼働における CO2 排出量と同等の削減は、農業ビジネスからの CO2 及びメタンガスの排出量の削減により、将来には年間約 5 万トンとなります。可能な限り環境に優しい方法でバイオマスを輸送し、その輸送コストを低く抑えるため、Maabjerg は 16 キロメートル以上の地域に、最大のバイオマスサプライヤをプラントに接続する放射状デザインでパイプラインシステムを計画しています。

この供給システムがなければ、毎日最大 50 台のトラックが輸送に必要となります。発酵残留物の脱水のため、Maabjerg では当社の UCD 535 デカンタを 3 基と UCF 466 デカンタを 2 基設置しました。デカンタによるリン酸と窒素の高レベルの分離で、余剰栄養分の合計削減量は、窒素が 400 トン、リン酸が 450 トンになります。この分離効率は、ポリマーを使用せずに実現されます。分離された泥状物に多く含まれるメタンガスのため、焼却炉で土壌を焼却することで毎年 22,000 MWh のエネルギーが生み出されます。リン酸と窒素は灰に残り、リサイクルできます。 

Maabjerg Bioenegy_Jens Bach

写真: Maabjerg Bioenergy、Jens Bach

極めて重要な形状

適切なボウルとスクロールの形状は、デカンタの最適な設計にとって極めて重要です。ここで当社は、その経験を活かすことができます。分離の結果、乾燥物質からの発酵残留物は、約 5 ~ 10 パーセントから約 30 パーセントの間で脱水されます。例えば、液状の発酵残留物に含まれるリン酸は、ここで 1 トンあたり約 1.5 キログラムから濃縮されて、脱水された土壌 1 トンあたり 5 ~ 7 キログラムになり、液状発酵残留物 1 トンあたり約 4 ~ 6 キログラムの含有窒素は土壌 1 トンあたり 8 ~ 10 キログラムになります。一部の地域では最大 500 キロメートルになる輸送は、運搬する水分が少なくなってタンカーではなくトラックを利用できるため、はるかに簡単になります。したがって、高いリン酸及び窒素含有量だけでなく、含まれるメタンガスも増えるため、生産量の増加に加え、処理によって輸送コストも削減されます。 

新着: 2 段階式分離

当社では、このたび初めて 2 段階式分離を提供することになりました。その 2 段階目の分離ステップでは、(化学成分を使用しない場合の約 75 パーセントに比べて) 最大 95 パーセントの固形分に含まれるリン酸が、わずかな化学成分の追加により水溶性リン酸の小さい分子が結びつけられて、分離可能となります。これは、例えばトルコやメキシコなど、栄養分が大幅に余り、それに従って栄養分の輸出比率が高い国や地域では、経済的である点で大きな関心を集めます。 

長年の経験

当社は、1988 年以降にバイオガスプラントの稼動で積み重ねた経験を活かすことができます。それ以来、あらゆる規模の 6000 以上のバイオガスプラントをドイツで稼働させてきました。フランス、オランダ、スカンジナビア諸国及び英国の他、東欧や米国での数多くの建設プロジェクトでは、バイオガス生成が持つ多くの利点を発見しつつあります。発酵残留物の処理に向けて当社が提供するデカンタは、毎時 3 ~ 100 立方メートルの出力を扱います。化学物質をまったく使わない当社のデカンタは、こういった用途に最適で、固体の最大 30 パーセントの高度な乾燥物質を保証します。 

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現代的酪農

過去にはすべてがシンプルでした。酪農家はストールに 10 頭、あるいは多くても 50 頭の乳牛を飼っていました。酪農を行う土地も、この規模に合わせたものでした。堆肥には農場の固形または液状の糞尿を使用していました。今日の現代的な酪農では、あらゆるものが違います。過去にあったような小規模の田舎のビジネスは、今や農業製品の需要に応えるのは難しくなっています。牧場は特定の地域に集中し、耕作地農業は他の地域で盛んになっています。こういったことが配送の問題を引き起こします。こちらでは糞尿が余り、あちらでは肥料を必要としているのです。 糞尿を農業地域に撒くことで、特に、一部は有機的に固体に結びつき、一部はミネラルで溶解する、比較的高い割合のリン酸と窒素が問題を引き起こします。有機性窒素は土壌からにじみ出て、地表の過剰なリン酸は水路に流れ込みます。多くの場合、糞尿を発酵させることでこれを解決します。このとき、バイオガスの形でエネルギーも生まれます。発酵後は発酵残留物が残り、そこにはリン酸と窒素が含まれています。
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