04 Jun 2015
アプリケーションの観点から見ると、飲料業界には順調なイノベーションの計画図が存在しています。つまり、伝統的な飲料の亜種 (フレーバ付きビールなど) も含め、新製品が常に開発・発売されています。製品を差別化し、地域ごとに異なる原材料や生産方法を利用することにより、クラフトビール市場も機能性・健康飲料部門も力強く成長しています。製造方法が更に複雑になれば、柔軟な加工や包装に関する需要が増大します。
その結果、確立された市場や急成長している市場の両方で、世界中の生産業者はジュース、シロップ、ソフトドリンク、濃縮液、コーヒー、アルコール、ワイン、ビールの製造・前処理用の機器、システム及び総合プラントから恩恵を得ています。ただし、革新的な製品差別化と最終製品の品質に留まることなく、生産業者は飲料生産システム及びソリューションの環境や持続可能性の面への関心を強めており、それが現代のプラントに反映されることはますます一般的になっています。
増加しているのは世界の人口だけではありません。1 人当たりの平均所得も上がっています。プロセステクノロジーの売上予測は、世帯収入の増加とは比例せずに伸びる傾向があるため、中国、インド、ロシア及び東欧の成長市場では、飲料の生産及び前処理の分野で GEA はそのポジションをますます拡大しています。また、都市化に伴い、都市の人口が増加しているため、GEA では食品及び飲料の知識集約的加工のための革新的手法の開発を目指し、省エネルギーの推進にも注力しています。
環境影響物質の使用を最小限に抑え、水、天然原料、及びエネルギーの消費量を低減する無菌充填、遠心分離・ろ過、高度な蒸留システム、より効率的な加熱・冷却プラント、排出物低減設備、洗浄機器などのテクノロジーをご利用いただけます。また、高効率モジュラ型プラント設計により、設置が容易になり、保全作業が減るため、飲料業界に従事するお客様は、生産システムの品質及び環境保護を最大化しつつ、運転コストを大幅に抑えることができます。
「次世代のために環境を保護したい、というお客様の欲求は重要なビジネス課題になりつつあります。すべての主要な食品 / 飲料メーカーは、その環境行動を報告し、CO2 の排出量と水の消費量を改善するための取り組みを定める必要があるため、消費者がそれらのデータを参照して製品を購入する時期がやがて来ます」と、GEA 飲料チームの Ricardo Davi 氏は述べています。
また、マーケティングコミュニケーションの専門家 Monica Melloni 氏は、次のように述べています。「私たち、GEA の社員は常に、より良い技術的ソリューションの開発を目指す必要があります。より効率的な (通常はコンパクト性も伴う) 機器やシステムを、同じレベルの性能を維持しつつ新しく開発することは、もはや不可能です。近年、経済的活力は環境保護と持続可能性の観点で定義されています」
「資源消費量の低減、エネルギー再利用のフル活用、部品数・使用スペースの縮小、労働条件の改善が、今日のセールスポイントです。いくつかの点で、お客様は私たちを無償の改善団体として見ています。しかし、投資財の製造業者としてできることは、技術リーダーであり続けることによる差別化及び顧客利益の向上のみです。そして、技術リーダーになれるのは、革新的な企業だけです」と同氏は付け加えています。
世界中で、全インスタントコーヒーの約 1/3 が GEA の機器で生産され、牛乳の 4 リットルに 1 リットルが当社の搾乳装置を使って得られることになります。また、2 リットルに 1 リットルのビールが当社の機器を通過し、商業的に加工された肉製品の 1/4 以上が GEA の機器によって、成形、調理、グリル、フライ処理されています。
ただし、食品と飲料の生産チェーンには、牧場主や供給者から物流会社、小売業者、消費者、そして最終的には廃棄物管理者まで、多数のさまざまな段階及び関係者が含まれており、そのすべてが環境に影響を与えます。食品及び再生品のサプライチェーンにおける持続可能な生産、輸送、消費、及びリサイクルのための戦略を効果的に実現するには、製品のライフサイクル全体を通じた各参加者の統合的な関与が必要不可欠です。
関与するすべての個人や企業は、責任ある独立者であると同時に、チームプレーヤーとして働く必要があります。それぞれの CO2 排出量を改善し、最良事例を採用することにより、どのプレーヤーも直接影響の及ぶ範囲内で環境行動を改善することができます。また、他の食品チェーンパートナーに働きかけてその行動を改善させ、最終的には各部分の総和よりも大きくサプライチェーンに貢献することができます。
最近の FoodDrinkEurope の報告では次のようにコメントしています。「非常に多くの食品・飲料企業が、日々の事業実践にエネルギーと CO2 の管理を組み入れ、素晴らしい結果を出しています。パフォーマンスの劣る会社を助けて追い付かせ、先頭集団を励まして実績をさらに改善させることが重要です。CO2 の削減目標を長期間に渡って実現するには、事業、行政機関、及び研究団体の間の集中的努力により、業界のニーズと研究開発の足並みを揃え、新興テクノロジーの経済競争力を育てる必要があります。
食品・飲料産業は、その中心に持続可能性を据えることにより、拡大する世界人口増加及び世帯収入に伴い、特に新興市場で今後も成長し続ける見込みです。GEA の使命は、食品・飲料の知識集約的加工やエネルギーの経済的利用に向けた革新的なソリューションにより、人類と地球の健全性を維持し、エンジニアリングによって世界を改善することです。
予備品から一括請負プラントまで