Danone での持続可能な粉ミルク製造のためのソリューションを提供

現在の各産業における製造業者は、考えられる限り高いレベルの環境持続可能性を達成するため、さらには安全で質の高い加工を追求して厳格化が進む要求事項を満たすために、懸命の努力を続けています。

ここ GEA において、私たちは、資源とエネルギー消費量の軽減および排出ガスと廃棄物の削減に集中的に取り組んでいる競争性の高いグローバルな製造ランドスケープの中で、お客様が事業を展開されていることを理解しています。しかし競争力を維持するには、効率性を強化し、目の肥えた消費者に最高品質の製品を提供することも必要です。当社は光栄にも、大手の粉ミルク製造業者の1つである Danone と協力し、オランダのクアイクにある未開発の工業用地において、環境持続可能性に優れた最新の Danone Nutricia プラントの設計、設置、試運転を行いました。Danone とは以前に別の Danone 乳製品製造拠点への GEA 設備の設置の件で提携したこともあります。

粉ミルク製造業者にとって、高品質で均質な粉末の製造の信頼性と再現性を保証できることは必要不可欠です。この点に加えて、Danone の新規プラントの目標は、持続可能性を強化すると同時に、世界をリードする品質を維持し、生産性を高めることでした。これは難しい注文でしたが、真の共同パートナーとして GEA をご信頼いただき、協力してプロセスソリューションを構築して提供しました。これは、市場と消費者からの需要に迅速に対応できる柔軟性と敏捷性を備えた陳腐化しない製造施設を建設するために、ビジネス的な難題と技術的な難題にうまく対処できるソリューションです。

オランダのクアイクにある Danone 社ヌミコ工場

Danone はこのプロジェクトに関して GEA との提携を選択しました。その理由は、他の Danone 拠点について GEA と提携した際に非常に強力な成果が挙がっており、実業界における GEA の評判がすばらしく、さらに GEA がこのプロジェクトに極めて高度な技術ソリューションを投入したためです。」– Danone Nutricia の元プロジェクト責任者 リアム・カーモディ氏

– Danone Nutricia の元プロジェクト責任者 リアム・カーモディ氏

食品品質、安全、衛生的デザインが主な構成要素であるとカーモディ氏は強調しています。「このプロジェクトで私たちが直面した問題は、工場に課している非常に高い食品安全要件を満たして実行できる施設を整備することであり、それにより、非常に敏感な消費者層に向けて非常に複雑なレシピポートフォリオを作り上げることでした。プロジェクトについては、費用対効果を高めて予定通りに進めていく必要があります。完了日だけではなく、そこに至るまでの重要なマイルストーンも着実に到達しなければなりません。私たちは自信を持って、対面する [GEA] の方々がこれらのことをすべて着実に実行できると信じていたと言えます。」

粉末栄養調整乳は、食餌と栄養に関する各要件に適合するように、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、その他の栄養素を含む重要な要素を厳密に混合したもので構成されています。特性が高度に定義されている粉乳を製造するための基本的なプロセスでは、液体乳と油脂と乾燥原料を混合し、余分な水分を除去し、その後、噴霧乾燥によって既定の物理的特性、構造特性、味覚特性、栄養特性を備えた粉末を形成します。

最初のコンセプトの段階から複数の GEA チームが Danone 関係者と円滑に連携し、新しい Danone Nutricia プラントの最新のグリーン技術の設計、構築、導入を進めました。GEA は5台の MVR 蒸発器と2台の GEA Niro MSD® 噴霧乾燥器を構成して、4台の Ariete シリーズ高圧ホモジナイザとともに設置しました。これらを組み合わせて、多様な栄養調整乳製品ポートフォリオを製造するための理想的なソリューションに仕上げたのです。

栄養調整乳の混合物が蒸発により水分が抜けて濃縮されます。GEA 蒸発システムは、お客様のご期待に応えられるように、一貫性のある製品品質とエネルギー効率の最適化を実現するシステムとして開発されましたが、同時に、操業コストの削減と投資利益のすばやい回収も実現できます。コンパクトで省エネの MVR ソリューションは、高速起動と、操作しやすい目視検査を特長としています。厳密に制御される直接接触加熱により加熱時間が短縮されます。また栄養調整粉乳の WPNI 値の指定が可能です。衛生的なデザインによりクリーニングの高速化と費用効率の向上を実現することで、長い処理時間に対応します。

高圧の Ariete シリーズ技術では、ホモジナイザとポンプを組み合わせて1つのマシンに仕上げて、脂肪が均質化された乳製品がポンプで噴霧乾燥器のノズルに直接送られるようにします。さらにすべての GEA ホモジナイザには、最高の衛生度と CIP を実現するために特別に設計された NiSoCLEAN 圧縮ブロックが搭載されています。

製品は、このホモジナイザから下流の GEA Niro MSD® 500 と 1000 の噴霧乾燥器に送られて、余分な水分が除去されます。最新の GEA Niro 噴霧乾燥器は数日間の連続稼働が可能であるため、プラントの効率と生産性が向上します。GEA Niro 噴霧乾燥器の技術では、再現性の高い構成、物理的特性、溶解性を備えた高品質の粉末を、最も厳しい微生物管理の下で生産します。この設備は、エネルギー回収機能を組み込んだデザインとなっており、残留物の沈着を最小限に抑えることで製品ロスを削減するので、高速化・高効率化された資源に優しい CIPと生産性の大幅な向上を実現できます。

蒸発器と供給システムを増設すると、1セットの洗浄中も常にもう1セットの蒸発器と供給システムが稼働することになり、噴霧乾燥器に最大容量の製品を供給できます。これにより噴霧乾燥器の1日のアップタイムが3~4時間増えるので、プラント全体の生産高と総合設備効率(OEE)が向上します。また、生産サイクルの開始回数と停止回数が少なくなるため、粉末が表面に沈殿するリスクが減り、それによって、噴霧乾燥吸収設備全体の CIP 洗浄が必要になるまでの運用サイクルが長くなります。

Danone は設計プロセスに最初の段階から密接に関与していました。GEA エネルギーチームはピンチ分析を実施して、総合ユーティリティプロセスを検査し、主要な環境目標の達成方法を模索しました。そして次にすべての蒸発・噴霧乾燥プロセスを捕らえた 3D モデルを試作しました。Danone はこれを使用すれば詳細な設計レビューを実行できるようになるので、建物とレイアウト間の矛盾や、設備と配管間の矛盾を明確にし、前もって解消することができます。

「GEA はこの 3D モデルを等角投影図に変換できました。」とカーモディ氏は説明しています。これはつまり、現場外でかなりの量の設備建設をこなすことができ、現場内のダウンストリームの複雑性が軽減されたということです。「この 3D モデルと等角投影図のおかげで、当社はワークショップ内の現場外で35以上の FAT(工場出荷試験)を実施できるようになりました。これにより、建設の大幅な高速化、現場でのサプライヤー相互関係の複雑性の緩和、高品質の最終製品の最終納入を実現できました。私たちは GEA の提案に感銘を受けました。噴霧乾燥器の熱回収から、低エネルギー消費モーター、そして蒸発器プロセスの MVR 技術に至るまでのすべてに感動したのです。」

「デンマークとフランスとオランダの3つのコアチームがプロジェクトに参加し、ニュージーランドの同僚から支援を受けました。」と GEA プロジェクト責任者のセドリック・マレトロイトは語ります。「いつものように、大規模で複雑な設置作業を行う際には途中で激論を交わしますが、それは常に建設的で協調的な考え方を持って行われました。私たちは、特にお客様とともに企画するさまざまなチーム構築イベントを通じて、強固な関係を築いてきました。この関係は必ずこれまでにないほど強力なものになるでしょう。」

NiSoCLEAN 2.0

製品

NiSoCLEAN は食品産業製品を想定した特有の衛生設計の圧縮ブロックです。対象とする製品は特に繊維および固形分、乳児用食品、粘性のあるドレッシング、高タンパク食品などのプロバイオティクス製品です。
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