加熱・冷凍インスピレーション – 気候変動に対処する行動を起こす
2021年11月05日
世界各国の政府は自国の二酸化炭素排出量を削減することに取り組んでいます。2015年にパリで開催された国連COP25気候変動会議では、世界の気温上昇を1.5℃に抑えることを目的として 190ヶ国以上が自国の二酸化炭素削減目標を設定するための世界協定［自国が決定する貢献（NDC）］を締結しました。2021年10月にグラスゴーで開催されたCOP26ではウィッシュリストを実現するため、口先だけでなく行動で示すことが要求される中で、この立場を再確認しました。
どうすれば1.5℃以上の温暖化を防ぐことができるのか？言うは易し、行うは難し。特に、気候変動に対して意味のある行動をとる場合には、先見性のあるリーダーシップ、長期的なコミットメント、多額の資金と人材、そして真に革新的な技術が必要となります。これがGEAでしっかりと進めている方針です。顧客が持続可能性に関連する目標を達成できるようにGEAの部門が支援している製品とサービスだけでなく、グローバルな事業の責任ある管理にも焦点を当てているためです。
GEAの加熱・冷却技術部門では、特に食品・飲料・乳製品の加工業界において、お客様の加熱・冷却に関わるエネルギーコストが総エネルギー消費量の大半を占めていることを認識しています。実際、エネルギーコストの約60% が加熱と冷却に起因していることから、食品メーカーはこれらのプロセス効率を最大70% 向上させることができます。したがって、産業用冷却・加熱スペースのリーダーとして、お客様がエネルギー使用量を削減し、ひいては二酸化炭素排出量を削減するのを支援することが当社の義務です。
ルーツにインスピレーションを受ける
革新的かつ持続可能な産業用冷凍＆加熱技術の長く、深く根差した歴史は、1858年に遡ります。当時から、忍耐力、顧客の期待を超えること、そして継続したイノベーションの上に成功が成り立っていました。
今日、GEA Refrigeration Technologiesは、業界のリーダーとしての地位を確立し続けるため、謙虚な姿勢で私たちの先駆者を手本にしています。私たちの深いルーツは、お客様へのサービスに必要な今日のイノベーションを推進する熱意を育み、私たち全員に影響を与える世界的な気候変動問題への取り組みに寄与します。
GEA Refrigeration Technologiesの先駆者であるこの鍛冶屋は、1858年、ウィレム・グラッソにより設立されました。
ホットな話題へのクールなソリューション
GEAの加熱・冷却技術部門では、エネルギー使用量および炭素排出量の両方の削減を目的とした、持続可能な冷凍・加熱ソリューションの広範囲にわたるポートフォリオを提供しています。当社のエネルギー効率の高いスクリューおよびピストン圧縮機、コンプレッサーパッケージ、およびチラーは、アンモニアを含む自然冷媒を使用します。アンモニアは、GWP (Global Warming Potential: 地球温暖化係数) が0 (ゼロ) の自然冷媒です。これは、地球温暖化に関連する温室効果には加わらないことを意味します。
自然冷媒の使用に加え、最近のその他のホットな話題は、産業用ヒートポンプの使用です。GEAは、生産でのヒートポンプの使用の潜在能力および利点について早い段階で認識し、現代のヒートポンプ技術の分野における草分け的存在になりました。実績のあるGEAのヒートポンプのラインナップは、お客様に測定可能な運用上の大きなメリットを提供するとともに、サステナビリティに関する目標を達成するための将来性のあるソリューションを提供します。
GEAの幅広いヒートポンプのポートフォリオには、標準スクリューモデルおよびピストン圧縮機駆動モデルに加え、カスタムヒートポンプおよびオープンタイプのヒートポンプが含まれます。写真：GEA Redヒートポンプ。
当社が提供する製品やサービスに現代的で画期的な技術の進歩を応用することが、GEA全体が集中していることであり、デジタル化に例外はありません。GEAの加熱・冷却技術部門は、GEA Omniコントロールパネルの開発により、産業用冷凍業界のデジタル化を新しいレベルに引き上げました。高解像度、マルチタッチ・ヒューマンマシンインタフェースが特長のこのデジタルパワーハウスでは、オペレーターは直感的なワンタッチ操作でシステムを制御することができます。
GEA Omni制御パネルの豊富な機能により、運用コストを大幅に削減することができます。例えば、GEA Omniのエネルギー管理機能は、ユーザーがプロセスの重要側面を精密制御してシステムのエネルギー使用量を評価し、必要なエネルギー量を最小限に抑えることにより、操業コストを効果的に削減できるように設計されています。
コンプレッサの制御およびシーケンス化、復水器の制御およびシーケンス化、冷媒容器とポンプの制御、エバポレータの制御、無数の反応的および積極的なエネルギー管理技術を通し、GEA Omniのエネルギー管理機能はカーボンフットプリントを減少させることで会社の持続可能性に関連する目標を達成できるようにしながら、収益を実現します。
GEA Omni 制御パネルは、増え続ける世界中の主要食品および飲料生産者に対し、エネルギー効率を最大限に高めるのを助け、プロセスが重要な冷却システムの性能を強化します。
すべてをまとめる – 全体論的アプローチの適用
総合的なエンジニアリングソリューション (NEXUS) サービスにより、GEAは食品および飲料製造業者でのエネルギー効率を新しいレベルに引き上げるのに役立っています。NEXUSは、プロセスと供給に関するGEA独自の専門知識を利用した全体論的アプローチを意味します。製造工程に全面的なアプローチ (工場の設計と実装における加熱および冷却ソリューションを含む) を採用することで、GEAは顧客が操業コストおよびエネルギー消費量を大幅に削減できるようサポートしています。グリーンフィールドおよびブラウンフィールドプロジェクトは、NEXUS からのメリットに特によく適していますが、既存の設備も大幅に向上する可能性があります。
統合された持続可能な冷却&加熱ソリューションを使用した広範囲のプロセスの知識と専門知識に応用するGEA独自の能力は、世界中のお客様にだけでなく世界に利益をもたらします。
国連環境計画のCool Coalition
GEAは、国連環境計画（UNEP）によって導かれるCool Coalitionの一員です。このイニシアチブは、政府、企業、金融、市民社会の間の対話を促進することにより、世界中の都市環境、建物、およびプロセスにおける効率的で気候に優しい冷却の使用を促進することを目的としています。
ポーランドの主要家禽生産者、Wipaszに設置されたGEA冷凍・加熱/ヒートポンプ設備。
国際エネルギー機関 (IEA)によると、地球の温暖化が進むにつれて、2050年までに現在の3.5倍の冷却が必要になると推計されています。現在、冷凍と空調システムで、世界の電力生産量の約15%をすでに消費しています。新しい気候戦略で、GEAは最近、冷凍技術などのエネルギー集約型のままの技術における持続可能なイノベーションの推進を優先的に行うと発表しました。
私たちの業界とそれを支える業界は、温室効果ガス排出量を削減するため、直ちによりエネルギー効率を高める必要があります。当社には、Cool Coalitionに参加することで、専門知識を共有するとともに、気候に優しい冷却・加熱ソリューションへの移行を推進するねらいがあります」- GEAの加熱・冷却技術部門最高経営責任者Kai Becker（カイ・ベッカー）
- GEAの加熱・冷却技術部門最高経営責任者Kai Becker（カイ・ベッカー）
数十年にわたり、GEAは様々なイニシアチブや技術開発を通して、将来を見据えた冷凍技術の道を切り開いてきました。たとえば、上記のGEAの総合的なエンジニアリングソリューションプログラムは、2018年以降、工場のプロセス技術とユーティリティソリューションを組み合わせてきました。この学際的なアプローチにより、様々な産業の顧客がエネルギー効率の最適化戦略の恩恵を受けました。通常のルートを通ったり、加熱と冷却を消費財製造のプロセス技術とは別々に扱ったりするのではなく、要件の計画と生産プロセスの設計に関しては、GEAの冷却とプロセスの専門技術は密接に連携しています。
良く考え、大胆に行動
GEAの加熱・冷却技術部門とその姉妹部門はその最先端技術と専門知識を提供し、当社のお客様が運用を改善して持続可能性の目標を達成できるよう支援する一方、GEAグループは、世界的な企業として、持続可能な未来への全体的な取り組みの一環として、その二酸化炭素排出量を慎重かつ積極的に削減するため自組織にも目を向けています。実際にGEAグループはそのバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を2040年までにネットゼロにするGEAグループの気候戦略に取り組んでいます。
GEAは、正味ゼロ経済への世界的な移行をサポートするため、大胆な活動を行っています。当社の新しい気候戦略では、GEAをピアグループのリーダーに位置付けています。バリューチェーン全体をこの活動に組み込み、直接排出と間接排出の両方に取り組んでいます。またそうすることで、GEAの目的 — 「エンジニアリングをより良い世界のために」にあわせた明確な行動をとっています。」- GEA Group 最高経営責任者 Stefan Klebert
- GEA Group 最高経営責任者 Stefan Klebert
