SDA プロセス
噴霧乾燥吸収 - 酸性ガス吸収の噴霧乾燥技術を用いた独自の使用法は 1970 年代に GEA によって発明されました。以来、この技術は継続的に開発が進み、変化する条件と要件に合わせて最適化されています。このため、このプロセスは効率性と汎用性に優れ、十分にテストされた技術として位置付けられています。どの噴霧乾燥吸収プロセスも、お客様の要件と適用される環境規制に合わせてカスタマイズされます。この吸収装置の強みは、水銀やダイオキシンの排出量を確実に低減する目的で設計されたピーク制御や活性炭注入などの実証済みシステム機能にあります。
利点
• 酸性ガスの除去効率が高い
• 投資、運用、保守費用の低減
• 電力および水消費の低減 – 低質の水でも運用可能
• プラントの可用性が高い
噴霧乾燥吸収プロセスは半乾燥燃焼排ガスの脱硫プロセスです。このプロセスでは消石灰 Ca(OH)2 を吸収剤として使用し、主に飛灰や各種カルシウム化合物で構成される安定した最終乾燥製品を生成します。
高温で未処理の燃焼排ガスは燃焼排ガス分散器を介して噴霧乾燥吸収装置に投入された後、反応性の高い吸収剤と接触し、回転式噴霧器によって微粒化されます。燃焼排ガスと吸収剤が効率的に接触すると、燃焼排ガスをアルカリ性吸収剤に変換する酸性成分の物質移動が高速に行われます。吸収剤は吸収された酸を中和します (SO2 + Ca(OH)2 -> CaSO3/CaSO4 + H2O)。この反応が行われている間、水分が蒸発し、乾燥した粉末が形成されます。この乾燥粉末の一部は吸収チャンバの床に沈殿して排出されますが、大部分は下流側の集塵機に送られ、冷却された燃焼排ガスがチャンバから排出します。このようにして浄化された燃焼排ガスは、集塵装置を経由して再加熱せずにスタックに移動します。
Ca(OH)2 は、消石灰として購入するか、(より頻度が高く、経済的に行う場合) 燃焼した石灰 (CaO) からオンサイトで調合され、バッファタンクから回転式噴霧器にポンプで送られます。分離後の粉末は、最終製品の保管施設に搬送されるか、余分な吸収剤の使用を改善するためのプロセスで再利用されます。このプロセスから得られる最終製品は安定した乾燥粉末です。この粉末は主に道路工事の建材や建設産業のその他の用途で世界中で使用されています。
噴霧乾燥吸収技術は、SO2 や HCl などの 1 次汚染物質だけでなく、その他の物質についても吸収において優れた性能を発揮します。燃焼排ガスの流れに細かく噴霧された吸収剤とその後の除塵により、SO3 や HF などの汚染物質は実質的に完全に取り除かれます。これにより、燃焼排ガス通路全体を通し、炭素鋼を建材として使用しやすくなります。その他にも、次のような 2 つのメリットが得られます。第一に、このプロセスでは排水や海水などの品質の低い処理水を使用できます。第二に、このプロセスからは排水が生成されないため、後続の排水処理やプロセスがありません。
200 以上の参考施設
200 台以上の噴霧乾燥吸収装置が世界中の発電所、鉄鋼プラント、廃棄物焼却炉、有害廃棄物の焼却所などに設置されています。すべての施設で共通の特性を共有しています。現地の地方自治体によって定められた性能上の規制要件、またはそれ以上に厳しい要件に基づいて運転されます。1980 代に設置された第一号プラントは現在も十分に良好な状態で問題なく稼動しています。
• 建設されたプラント総数: > 200
• 吸収装置の合計台数: > 350
• 噴霧器の合計台数: > 450
• およそ 25,000 MWe、4,300 MWt の発電所据付容量にプロセスを導入
• 世界中の 160 以上の焼却ラインにプロセスを導入
• 世界中の 10,000 m2 以上の焼結バンドにプロセスを導入
噴霧器ホイール
回転式噴霧器は噴霧乾燥吸収装置における主要要素です。この装置部は、基本的に吸収液を約 10,000 rpm で回転する噴霧器ホイールに送り込むことにより、吸収液を燃焼排ガスに噴霧化します。液体を外側にスリングしながら高速に回転するホイールによって、液体は表面積の広い非常に小さな液滴 (50 ミクロン未満) の噴霧化ミストに分解されます。
特殊なステンレス鋼タイプを用いた耐摩擦性ホイールとホイールインサートを使用し、噴霧乾燥吸収プロセスのタイプ F-100、F-360、F-800 および F-1000 に適用される回転式噴霧器は多くの場合、厳しい環境や摩擦性の吸収剤にも耐えられるように調整されています。
回転式噴霧器の構造は中央の支持プレートで区画された上部と下部のパーツで構成されます。上部パーツにはギアボックスと潤滑システムが上部の油だめと共に収納されます。この噴霧器には、ギアボックスの上部に位置する縦型のフランジモータから電力が供給されます。フレキシブルカップリングがモータからギアボックスの入力軸に動力を伝送します。噴霧器の下部パーツは吸収チャンバ内の高温メディアにさらされており、主にフレキシブルスピンドル、スピンドルベアリング、供給およびフラッシュ配管、液分散器、および噴霧器ホイールで構成されています。製品は摩擦への耐性があるため、噴霧器と噴霧器ホイールの両方のパーツはセラミック剤で製造されています。これらのパーツは吸収剤の供給から多くの摩耗や割れの影響を受けるため、交換可能です。
ガス分散器は吸収チャンバ内の燃焼排ガスの分散を最適化し、燃焼排ガスと噴霧化された吸収剤供給の液滴との効果的な接触を促進します。標準ガス分散器のタイプ DGA は調整可能なガイドベーン付きのルーフガス分散器です。この分散器は、摩擦性または粘性の飛灰が少ない燃焼排ガスに使われます。摩擦性飛灰の含有量が高い燃焼排ガスの場合、耐食性のガス分散器であるタイプ DGR が適用されます。このガス分散器は、自治体の廃棄物焼却炉に適用される、多くの噴霧乾燥吸収装置で使用されています。
混合ガスの分散器はガス量が 400,000 Nm3/h 以上の燃焼排ガスに使用されます。ここで燃焼排ガスは 2 つの流れに分離し、約 60% がルーフガス分散器を通って中に入り、残りの燃焼排ガスは中央ガス分散器を通って中に入ります。このセットアップは発電所および焼結プラントでよく使われます。ほとんどのガス分散器は軟鋼製です。
一般的に軟鋼製の噴霧乾燥吸収チャンバは、底部が円錐状の円筒構造です。燃焼排ガスはガス分散器を通ってチャンバに入り、円錐状の底部に位置する出口ダクトから排出されます。回転式噴霧器はチャンバの中央に設置され、ルーフガス分散器の出口で囲まれるため、噴霧化された吸収剤スラリーの供給とガスとを混合できるようになります。中央ガス分散器は噴霧器の直接下に配置されるため、噴霧器ミストの上昇が促され、ガスと液体の接触性が向上します。
チャンバのサイズは燃焼排ガスの量と特性によって異なり、形状もガス分散器のタイプに応じて異なります。より大きな粒子径の出口は、吸収装置の円錐状の底部に配置されます。
GEA は噴霧乾燥吸収チャンバとガス分散器の両方の設計とサイズを絶えず開発し、最適化しています。現在では 1 台の吸収チャンバで 2,000,000 Nm3/h を超える処理生産力を提供しており、さらに高いガス負荷にも対応できる SDA 設計を目指しています。
SDA 粉末プロセス
噴霧乾燥吸収からの最終製品は、反応生成物、余分な吸収剤、飛灰で構成されます。インレットガスの SO2/HCl 比は高いため、断熱飽和温度に近い温度での運転が可能になり、最終製品の石灰含有量を最小化できます。噴霧乾燥吸収システムは非常に高い脱硫率を実現し、実質的には最終製品に含まれる過剰な石炭の許容量によってのみ制限されます。
ガス量と組成に関しては、上流側の燃焼排ガスジェネレータの運転で通常の変更がとてもスムーズに行われるため、上部のヘッドタンク内で吸収剤とリサイクルスラリー (または水) の供給の流れを混合するだけで、出力温度と排出量を制御できます。ほとんどの場合、発電所用途で使われる吸収剤は購入し、CaO として保存してオンサイトで消和します。
(アニメーションの挿入)
高温で未処理の燃焼排ガスはガス流の分散を最適化するガス分散器を介して吸収モジュールに投入された後、回転式噴霧器のスプレーによって吸収剤との接触が促されます。ガスと噴霧化された吸収剤スラリーが効率的に接触すると、ガス状から液状への変換プロセス中に酸性成分の物質移動が高速に行われます。
アルカリ性吸収剤は吸収された酸を中和し、目的の反応生成物が水分蒸発と同時に生成されます。この乾燥した最終製品の一部が吸収チャンバの床に沈殿して排出されますが、大部分は下流側の集塵装置に送られ、冷却された燃焼排ガスはガスから取り除かれます。このようにして浄化されたガスは、集塵装置を経由して再加熱せずにスタックに移動します。
酸性成分吸収の化学反応と最終乾燥に続き、粉末状の最終製品がガス状の製品から分離し、最終製品の保管施設に搬送されるか、余分な吸収剤の使用を改善した SDA プロセスで再利用されます。SDA プラントを単一パスとして設計するか、リサイクルシステムに組み込むかは、インレットガス品質と排出要件によって異なります。
SDA 焼結プロセス
ガスの品質は比較的高速に変動するため、制御システムはそれに対応するように設計する必要があります。ほとんどの場合、焼結プラント用途で使われる吸収剤は購入し、CaO として保存して後でオンサイトで消和します。焼結プラントに適用される回転式噴霧器は一般的に、ステンレス鋼製ホイールと中央パーツを備えた F-360、F-800 および F-1000 です。
(アニメーションの挿入)
高温で未処理の燃焼排ガスはガス流の分散を最適化するガス分散器を介して吸収モジュールに投入された後、回転式噴霧器のスプレーによって吸収剤との接触が促されます。ガスと噴霧化された吸収剤スラリーが効率的に接触すると、ガス状の段階から液状へと酸性成分の物質移動が高速に行われます。
アルカリ性吸収剤は吸収された酸を中和し、この反応から生じた製品が水分蒸発と同時に形成されます。この乾燥した最終製品の一部が吸収チャンバの床に沈殿して排出されますが、大部分は下流側の集塵装置に送られ、冷却された燃焼排ガスはガスから取り除かれます。浄化されたガスは、集塵装置を経由して再加熱せずにスタックに移動します。
酸性成分の吸収、化学反応、最終製品の乾燥に続き、粉末状の最終製品がガス状の段階から分離し、最終製品の保管施設に搬送されるか、余分な吸収剤の使用を改善した噴霧乾燥吸収プロセスで再利用されます。プラントを単一パスとして設計するか、リサイクルシステムに組み込むかは、インレットガス品質と排出要件によって異なります。
SDA 廃棄プロセス
ガス中の HCl 含有量が高いため、発電所用途で使用する温度よりも極めて高いインレットガス温度まで上昇します。その結果、最終製品には様々な挙動が見られます。さらに、排ガスの水分と CO2 含有量が高くなります。吸収装置の乾燥特性、最終製品中の高い塩化物含有量、単一パスモードなどには、吸収チャンバでの長い滞留時間に対応できる設計が必要になるため、プラントは高い排気温度で運転することになります。
極端なインレット条件の変動にも対応できるように、噴霧乾燥吸収装置の性能を向上する目的でピーク制御システムを設計に組み込むことができます。この機能を使用することで、乾燥吸収剤、粉末 Ca(OH)2 は燃焼排ガスの流れに直接吹き込まれます。粉砕後の活性炭注入をベースにした吸収システムを導入することで、特に水銀やダイオキシンなどの排出を効率的に制限できます。廃棄焼却炉用途で使用される吸収剤は現地の調達状況と価格に応じて CaO および Ca(OH)2 から選択できます。
(アニメーションの挿入)
高温で未処理の燃焼排ガスはガス流の分散を最適化するルーフガス分散器を介して吸収モジュールに投入された後、回転式噴霧器のスプレーによって吸収剤との接触が促されます。ガスと噴霧化された吸収剤スラリーが効率的に接触すると、ガス状の段階から液状段階へと酸性成分の物質移動が高速に行われます。
アルカリ性吸収剤は吸収された酸を中和し、目的の反応生成物が生成されます。この反応と同時に水分が蒸発し、乾燥した粉末が形成されます。この乾燥粉末の一部が吸収チャンバの床に沈殿して排出されますが、大部分は下流側の集塵装置に送られ、同時に冷却された燃焼排ガスはガスから取り除かれます。浄化されたガスは、集塵装置を経由して再加熱せずにスタックに移動します。
化学反応、酸性成分の吸収の設定、最終製品の乾燥に続き、粉末状の最終製品がガス状の段階から分離し、最終製品の保管施設に搬送されます。ダイオキシンおよび水銀を効率的にガスから取り除くために、粉砕後の活性炭もガス流に注入されます。消石灰のガス流への注入をベースにしたピーク制御システムも、インレットガスの品質における実質的な変動を迅速に制御することを目的とした設計に組み込むことができます。ほとんどの廃棄焼却炉の噴霧乾燥吸収プラントは単一パスシステムとして設計されます。
Process for Power plant and Sinter plant applications
The Spray Dryer Absorber – the Rotary Atomizer, the Gas Disperser and the Absorber Chamber – is the heart of the Spray Drying Absorption process.
Spray Drying Absorption - the unique use of the spray drying technology for acid-gas absorption - was originally invented by GEA in the 1970s.
Ever since, it has been subject to continuous further development and optimized to meet changing conditions and requirements. Hence, the process stands as an efficient, versatile and thoroughly tested technology.
The Spray Drying Absorption process is a versatile way of cleaning flue gases by the removal of acid gases and particulates generated by fossil-fuel burning, mainly coal. Because of the presence of large volumes of flue gasses, power plant installations frequently have more than one Spray Dryer Absorber module. A compound-gas disperser ensures an optimum gas flow, even at very large volumes. The considerable plant size and gas volumes normally favor recycling of the end product, allowing operation at low outlet temperatures, no more than 10 - 15° C above adiabatic saturation temperature.
The end product from Spray Drying Absorption consists of the reaction products, excess absorbent and fly ash. The SO2/HCl ratio of the inlet gas is high, thus allowing for operation close to the adiabatic saturation temperature and minimizing the content of lime in the end product. A Spray Drying Absorption system can achieve very high desulphurization rates, practically only limited by the accepted content of excess lime in the end product.
Spray Drying Absorption is the ideal solution for removing dust and acid-gas exhaust from sinter plants.
Spray Drying Absorption installations for sinter plants combine features from power- and waste incineration plants.
Flue gas volumes are normally high; and, hence, necessitate the installation of large absorber modules. But, frequently, acid contents will be relatively low, thus allowing for the use of single pass systems.
Variations in gas quality may occur relatively fast, and therefore the control system must be designed to act accordingly. To a large extent, absorbent used for sinter plant applications will be purchased and stored as CaO for subsequent on-site slaking. The Rotary Atomizers applied in sinter plants are generally F-360, F-800 and F-1000, equipped with stainless steel wheels and central parts.
Process for Power plant and Sinter plant applications
Spray drying Absorption is a means to meet the strict emission regulations applying to waste-incineration plants.
Waste incinerator applications are generally characterized by relatively low gas amounts; and, hence, the absorber is constructed with only a roof gas disperser. The smaller plant size and the composition of acid content typically favor single-pass designs. The Rotary Atomizers employed in waste incinerator plants, SDAs, are normally type F-100, equipped with wheels in Hastelloy.
The high HCl content in the gas gives rise to a considerably higher inlet gas temperature than seen in power plant applications. Consequently, the end products will show different behaviors. Further, the moisture and O2 content of the waste gas is higher. The drying properties of the absorber, high chloride content in the end product, single pass mode, etc., call for a design with higher retention time in the absorber chamber, and therefore the plants are operated at high outlet temperatures.
Process for Waste to Energy applications
乾燥吸収プロセスでは、2つのステップを経て、硫黄酸化物(SOx)や塩化水素(HCl)などの酸性ガスを除去します。気流層リアクターに乾式吸収剤を注入するのが最初のステップです。そして次のステップでは、形成された化合物をバグハウスフィルター、電気集塵機、キャンドルフィルターといった下流の粒子状物質制御装置で除去します。
排ガスの湿式脱硫では、スクラビング液を循環させて排ガスに噴射することで、SOx が液体に吸収されて反応するようになっています。同時に排ガスは水蒸気で飽和状態になります。試薬はスクラバー装置のサンプに供給され、継続的な脱水により排出されます。